森羅咆哮(VEC)環境を時系列に沿って振り返っています。RAGEやWorld Grand Prix 2019で使われていたデッキやナーフ、アディショナルでの環境の変化などをまとめています。
目次
森羅咆哮環境を振り返り!
時系列で振り返る
2020年12月末のアップデートで、とうとう森羅咆哮(以下VECと表記)がローテーション環境から姿を消す。そこで、今回は時系列順に当時の出来事を整理し、世界大会もあった激動のVEC環境を振り返っていく。
▶森羅咆哮のカード一覧はこちらプレリリース実装(9/19~9/26)
本リリースに先立ち新カードを体験
森羅咆哮は、はじめてプレリリースが実装された弾である。クリスタルを使ってのみ新弾のパックを先行購入でき、限られた資産で新カードを採用したデッキを組んで対戦するという、これまでにない遊び方が増えた。
生成コストの低いデッキが注目
100パックの購入制限とテンポラリーカード作成の1枚制限があり、完成度の高いデッキを作るのは難しかった。そのなかでも、再録カードの対空射撃を入れることで作れるリノセウスエルフはデッキ作成がしやすく、高い評価を得ていた。
正式リリース開始(9/26~)
リノセウスE&自然Bが人気
正式リリース直後は2種類のデッキの活躍が目立った。不利対面がない圧倒的なパワーを持つ自然ビショップ、プレリリースで評価が高かったリノセウスエルフが環境の中心になる。
リノセウスエルフ
リノセウスエルフは豪風のリノセウスによるOTKを勝ち筋にしたデッキ。森の女王・リザのサーチ先を絞ることで、早期のリノセウス疾走が可能になっている。
自然ビショップ
自然ビショップは疾走、バーンで相手リーダーの体力を削り切るデッキ。サポートのために当時2コストの黄金都市が採用され。デスティニーウィングナイト、エクセスプリーストなどのパワーを高く発揮できる構築になっている。
その他のデッキ研究も進む
2つのデッキを追うように自然ギミックを採用したデッキの研究が進んだ。とくにネクロはレジェンドやゴールドカードが多くプレリリースでデッキが組みづらかったため、正式リリース後はしばらくデッキ構築について議論されていた。
自然ネクロ
自然ネクロはトートを起動してバーン効果で勝つことがメインになる。上記の構築は冥界の番犬・ケルベロスやオシリスを採用し、盤面のフォロワーで押し切るサブプランを持ったタイプ。
RAGE予選(10/5,6)
10日RAGE
今回のRAGEは新弾リリースから約10日と短期間で開催され、各プレイヤーの経験値やセンス、情報量の差が普段よりも出やすい大会だった。プレーオフ進出者は世界大会2018優勝のふぇぐ選手など、名だたるプレイヤーが揃った。
シヴァ入り自然ビショップが大暴れ
これまで採用があまりなかったシヴァ入りの自然ビショップが今大会で活躍し、一気に採用率が上がった。配信卓でもシヴァの活躍が目立ち、この大会後に採用したプレイヤーも多いのではないだろうか。
ファイナリスト使用デッキまとめ
ナーフとアッパー(10/29)
下方修正
カード | 変更点 |
---|---|
黄金都市 | ・2コスト → 3コスト ・直接召喚 2コスト → 4コスト |
自然ビショップがナーフ
圧倒的なパワーを誇っていた自然ビショップに下方修正が入り、黄金都市と相性の良かったカードをデッキから外すことになる。エクセスプリーストが抜けたことで潜伏リオードロイヤルなど、これまで日の目を浴びなかったデッキが台頭する。
アンリミテッドにも影響
黄金都市、疾走アミュレット、報復の白き刃・アニエスを採用した黄金都市ビショップがアンリミテッドで猛威を振るっていた。しかし黄金都市のナーフでデッキコンセプトが崩壊、完全に姿を消すことになる。
上方修正
カード | 変更点 |
---|---|
マーキュリーイージス・シオン | ・9コスト → 8コスト ・アクセラレート 5 → 3 |
アッパーを受けたものの、、
本体のコストを1、アクセラレートを2コスト減らす破格の上方修正。しかし、当時ローテーションのアーティファクトネメシスは下火で、VEC環境では上位に来ることはなかった。
RAGE GRAND FINALS(11/23)
変わらず自然ビショ&リノエルフが人気
10月末の能力調整から約3週間が経過し、RAGE GRAND FINALSが開催された。下方修正の影響で構築を大きく変えた自然ビショップだったがファイナリスト8人中8人、リノエルフは6人の持ち込みになった。
黄金都市修正後の自然ビショップ
黄金都市の下方修正によってエクセスプリースト、デスティニーウィングナイトの採用が減った。代わりに神鳥の修道女や漆黒の法典、賛美の狂信像・イミナなどを採用する形が主流となる。
個性が光るデッキ選択
自然ビショップ、リノセウスエルフの2大デッキに続き、自然ドラゴンが人気だったが、一部で個性的なデッキ選択もあった。さわちゃん選手が自然ロイヤルを使用して優勝するなど、会場を湧かせた。
自然ドラゴン
自然ドラゴンはヴァイディから得られる影の侵食によるダメージで相手体力を削っていくデッキで、後の環境でも構築を変えて残り続けた。当時は守りに徹する構築になっており、暴竜・伊達政宗+新婚夫婦・イアン&アデールのコンボなど、回復と除去に優れている。
リオードロイヤル
月の刃・リオードを強化し相手体力を削りきるデッキ。プレイの難易度が高いデッキだが、ヨシヒコ選手は同じく難易度の高いリノセウスエルフも持ち込み、どちらも自在に使いこなしていた。
自然ネクロ
永遠の花嫁・セレスを採用し、永遠の誓いによるコスト踏み倒しによって一気にトート完成を目指す構築。苦手なリノセウスエルフ対策に沈黙の信者を採用、さらに機械フォロワー1種類にすることでアイアンツールドクターをループさせるギミックを搭載している。
自然ロイヤル
シヴァを採用し、ミストリナやベイリオンの守護と合わせてリノセウスエルフやリオードロイヤルに有利な構築にするのが当時の主流だった。しかしさわちゃん選手は二刀流を3枚採用し、早いターンでの決着を目指している構築にしているのが特徴。
優勝はさわちゃん選手
自然ビショップ、自然ロイヤル、そして自然エルフを持ち込んださわちゃん選手が優勝。リノセウスエルフの多さを読み、それに対して有利な構築を持ち込んだデッキ読みと堅実なプレイで勝利を収めた。
アディショナル実装(11/25)
環境が変化
アディショナルカードの実装でこれまでとは大きく異なるゲームに。圧倒的な使用率を誇ったリノセウスエルフが一気に減るなど環境は激変した。
主な追加カード
炎氷の司祭・カラト
環境トップを走り続けてきた自然ビショップがさらに強化。これまで活躍していた母なる君を押しのけてデッキに投入されるポテンシャルを持っており、大幅にデッキパワーが上がった。
神鉄圧連法
これまでエルフはリノセウスエルフが主流だったが、神鉄圧錬法によって大幅に強化されたアマツエルフが使用率を逆転。プレイ難度はリノエルフ同様高いが、競技シーンでは人気のデッキに。
猛火のティラノサウルス
これまで使用率はそれなりにあったものの、イマイチ結果がついてこなかった自然ドラゴンに強化。デッキの安定感が大幅に上昇し、一気にTier1へ上り詰めた。
2度目のナーフ(12/13)
下方修正
カード | 変更点 |
---|---|
報復の白き刃・アニエス | 【変更前】 8コスト4/5 【変更後】 8コスト3/4 |
大幅な弱体化
報復の白き刃・アニエスが下方修正され、自然ビショップは2度目の弱体化となった。攻撃力が下がっただけでなく、飢餓の輝きとの大ダメージコンボが難しくなり、打点不足に悩まされることになる。
World Grand Prix 2019(12/25,27)
年内最後の大勝負
2019年のシャドウバースを締めくくる世界大会が12月25日、27日に日本で開催された。世界各地で行われた大会において優秀な成績をおさめたプレイヤー計24名が優勝賞金約1億円を賭けて、激しい戦いを繰り広げた。
日本と国外で構築の差が出る
日本ではアマツエルフ、自然ドラゴン、自然ビショップの持ち込みが人気。対して国外のプレイヤー達は自然エルフの持ち込みが多く見られ、デッキタイプに差が出た。
アマツエルフ
神鉄圧錬法やフェアリーブレイダー・アマツによって強化されたフェアリーで相手体力を削るデッキ。アマツが早期に完成した際は圧倒的なパワーを誇るが、そうでない場合は非常にプレイが難しいデッキだった。
自然エルフ
除去能力に優れ、盤面を取りながら体力を削りきるデッキ。一気に打点が出ないので回復や除去に優れた自然ドラゴンに厳しいが、アニエスの弱体化やプライマルギガントの追加で自然ビショップと戦いやすくなり、国外のプレイヤーに好まれた。
自然ドラゴン
猛火のティラノサウルスの追加で、デッキの安定感が上昇。流行のアマツエルフを対策するために、アディショナルカードの極光の天使を採用する形がスタンダードになった。
自然ビショップ
これまでいくつも姿を変えてきた自然ビショップだったがついに最終形。カラトの採用などで序盤の動きが不安定になり全体除去のクルトの重要性が上がった。打点不足を解消するために安息の領域やフェザーダッシュがそれぞれ採用されている。
白熱の決勝戦
決勝は日本のjupi/Qwert対台湾のsasamumu選手。jupi選手は素晴らしいプレイで魅せてくれたが惜しくも2位に、そしてsasamumu選手は国外のプレイヤーで初めての世界王者に輝いた。
今年は10PP!!
世界大会2018決勝では、potwasher選手が10PPに到達していなかったため、暴竜・伊達政宗の効果が発動しなかった。しかし、2019決勝は伊達政宗の効果が起動し、「今年は10PP!!」という声が実況席から飛び出したのが印象的だった。
関連リンク
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