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…そこは、地獄だった。

幼き少女が見たのは、まさにその言葉通りの光景だった。家は燃え、泣き叫ぶ声が聞こえ、同胞達が…人間達に次々と討たれていく。

「グゥッ…何故だ…何故魔族をお前達人間は襲うのだ…⁉︎」

物陰に隠れていた少女が、叫ぶように言葉を発した父の声を捉える。

「俺達は…貴様ら人間に何もしていないはずだ!ただこの村で、静かに暮らしていただけだと言うのに、何故だ⁉︎」

その訴えも最もだ。彼らは悪い事など何もしていない。確かにあまり人間達に関わっては来なかったが、無意味ないざこざが起きることを考えれば、当然とも言えた。

…だがその言葉に対し人間は。

「ハッ!所詮魔物無勢が。この世を支配しているのは人間様なんだよ‼︎てめえらみてぇな雑魚は蹂躙されるために存在してんだよぉ。ひゃっははははは‼︎」

…帰って来たのは、彼らを見下し切ったふざけた言葉だった。

…沸々と、少女の胸に痛いくらいの熱さが込み上げる。

「ここら辺の環境はすごくいいからなぁ?この偉大なる人間様がてめえらみてぇな雑魚なんかよりも有効に使ってやるよぉ!オラオラァ‼︎嬉しいだろぉ⁉︎」

「ぐあぁぁあああっ‼︎」

そんな言葉を吐きながら、少女の父に向かって剣を突き立てる人間。

…少女の胸の痛みが、張り裂けそうなほどに膨らんでゆく。

「俺も暇じゃあねぇからよお。雑魚はさっさとくたばっちまいなってなぁ⁉︎」

人間が振り上げた剣が父に向かって振り降ろされていく。

…少女はもう限界だった。

ギィィイイイイイイン‼︎

それは一瞬の間の出来事だった。少女が目にも止まらぬ速さで人間に向かったと同時に、その人間の身体が真っ二つになったのだ。

自分の死を覚悟していた父が目を向けると、そこには涙を流しながら憎々しげに人間だったものを見つめる自分の娘がいた。

「エクセラ…何故出て来たんだ…それに今のは…?」

エクセラ…そう呼ばれた少女は父の方を向き…

「怒りが…怒りが抑えきれなかったんだ…。あのふざけた言葉…父さんに対する仕打ち…同胞達に対する蹂躙…‼︎その全てが…許せなかったんだ‼︎」

そう感情を、怒りをぶつける様に、エクセラは吐き捨てた。

「エクセラ…」

「…正直驚いてるよ。怒りという感情が、ここまで力を強くさせるなんてな」

「そう…か…エク…セラ……お前…は……強…い…な…」

「……父さん?」

ふとエクセラは、自分の父の言葉が、段々と弱くなっていくことを感じ取る。

「エク…セラ……同胞達を…どうか……頼む…」

「嘘…だろ……?父さん…?父さん⁉︎」

「もっ…と……愛してやれ…なくて……すま…ない……エクセラ……」

それが父の最期の言葉だった。

力無く身体は倒れ、その目は閉じられた…。

「脆弱なる…人間どもめ……‼︎」

エクセラは涙を流しながら、自分の胸に炎の様に湧き上がる怒りを感じた。

「ギャァァアアアア‼︎」
「誰か…助けて……‼︎」

他の同胞達の悲鳴を聞き、エクセラはその憎々しげに染めた目を人間達に向ける。

「我が胸に燃ゆる怒りを…力に変えて‼︎」

もう彼女は止められない、消えることの無い復讐心に火を付けてしまったのだから…。

Q:【復刻!】フォロワー1人挙げてワンシーン作ってくれ【文豪求む】

少し前に出したこの企画、また見てみたかったので再び作りました。

〜ルール〜
・フォロワー1人を挙げてワンシーンを作る。
・主人公(自分)や登場人物は喋らなくても別に良い
・そのフォロワーの実際のボイスを1つは入れる。(たくさんあればあるほどgood)

皆さんの文章力、妄想力期待してます。


良ければ初回の文豪の方々の作品を参考にどうぞ。
https://shadowverse.gamewith.jp/questions/show/181052

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