シャドウバースの回答詳細

カードゲームにおける「抱き合わせ」の考え方が根本的に間違っています。カードAとカードBの効果を足したCというカードがある場合、C=A+Bではなく、本来なら手札が2枚必要なところを1枚で済ませているため、カード1枚分得しているわけです。つまり正しくは「C=A+B＋カード1枚分のアド」となるわけですね。
この「カード1枚分のアド」はコストが低ければ低いほど比重が大きくなるため、低コストの抱き合わせは本来よりもコストが重めになり、逆に高コストの抱き合わせでは本来よりコストが軽めになるのがカードデザインの基本になります。（低コストにおまけの1ドローがついたら壊れやすいが、互いに強力カードの応酬が始まる高コスト帯ではそれくらいは誤差の範囲になるので）

実際のカードを見てみましょう。
たとえば《御言葉の天使》は《ファイター》＋《エンジェルスナイプ》のわかりやすい抱き合わせです。コストも性能も2枚のカードを足しただけですが、ここで重要なのは《ファイター》も《エンジェルスナイプ》も単体ではかなり弱いカードにもかかわらず、《御言葉の天使》は強いカードだということです。
これはなぜか。最初に書いた「カード1枚分のアド」が、3コストという低コスト帯では非常に強力だからです。
デッキにまず入ることがない《ファイター》とごく一部のデッキでしか採用されない（しかも採用目的はスペブ稼ぎやプレイ回数稼ぎなので3コスフォロワーになった時点で役目を失っている）《エンジェルスナイプ》との抱き合わせでさえ、こういうことが起きるのです。

仮定の話をしましょう。
《御言葉の天使》が《ファイター》＋《エンジェススナイプ》ではなく、《リリエル》＋《ブレイジングブレス》の抱き合わせだったらどうなっていたでしょうか？
後者でも2コス＋1コス=3コスという図式は変わっていませんが、前者とは違ってリリエルもブレブレも構築級のカードです。
どう考えてもぶっ壊れですよね。低コスト帯で構築級と構築級を抱き合わせてコストもスタッツも削らない場合、カードのバランスは明らかに崩れることがわかってもらえたでしょうか。

では《デーモンイーター》です。
《ゴブリン》＋《ソウルコンバージョン》の1コス+1コスで2コス。
《ゴブリン》は《ファイター》と比べればはるかに強い構築級カードであり、《ソウルコンバージョン》も文句なしに構築級です。盤面に干渉できるリリエル＋ブレブレほどひどくはありませんが、《御言葉の天使》よりよほど効率のいい抱き合わせなのは明白です。おそらく多くの方が思っている以上に、コスパがやばいカードなのです。

つまるところよく言われている「デーモンイーターはコスト論的には適正」というのは大きな間違いです。コスト論的にも壊れに片足を突っ込んだくらいの性能はしているので、ナーフしろという意見が出るのも無理からぬことだと自分は思っています。


・・・まあここまでの説明はあくまでもカードゲームの常識に関する話なので、本格カードバトルであるシャドバにはあまり関係がないかもしれません。
どっちがやばいかっていうならヘクターの方がやばいしね。